「食欲の秋」がやってきましたね。
テレビや雑誌でも、「食欲の秋」として、様々なグルメや観光スポットが紹介されています。
ところで、いつから「食欲の秋」と言われるようになったのでしょうか?
確かに夏は、暑すぎて食欲もなくなる方も多いですが、秋になり過ごしやすくなると食欲は戻ってきますよね。
それに秋は、なんだかおいしい食べ物がたくさんあるイメージですよね。
実は「食欲の秋」という言葉は、はるか昔から使われていたというわけではなく、大正時代あたりから使われ始めたんです。
また、秋に食欲が増える理由も私たちの動物的本能が関係しているんです。
今回は、食欲の秋のことわざの由来や意味や語源を詳しく解説します!
目次
食欲の秋と言われる意味は何でしょうか?
まず、「食欲の秋」の意味はなんでしょうか?
ズバリ、
「秋は旬の食材が多く、食欲がそそられる。食べる楽しみを存分に味わえるのが秋だ」
という意味ですよね。
以下で、「食欲の秋」と言われる理由を見ていきましょう。
秋に旬を迎える食材が多い
栗、さつまいも、梨、りんご、ぶどう、お米、松茸などのキノコ類など秋に旬を迎える食べ物は多いですね。
山の幸以外にも、サンマや戻りガツオや鮭など海の幸も秋にはたくさんあります。
栗おこわ、きのこの炊き込みご飯、サンマ・鮭の塩焼き、デザートにモンブラン、スイートポテトにアップルパイ。
市販のお菓子にもマロン味チョコレートなども出てきますよね。…ヨダレが出そうな食材ばかりです。
「味覚の秋」とも言われるのも納得ですね。
冬に備える動物的本能
狩りや農業をしていた昔は、食べ物がとれにくくなる冬に備えて、秋のうちにたくさん食べておくようにしていました。
確かに熊などの野生動物も、冬は冬眠するので、それに備えてたくさん食べて、力を養っておきますよね。
人間にも、そういった本能は残っているかもしれませんね。
食欲の秋の語源はいつ頃から始まった?
「食欲の秋」のみならず、「読書の秋」や「スポーツの秋」などという文言は、大正時代から使われ始めたようです。
なぜ大正時代から言われるようになったのでしょうか?
大正時代は、ほんの15年ほどの短い期間ですが内容は濃く、食事もファッションも西洋化が進んだ時代でした。
洋食化は明治時代から始まっていましたが、大正時代にはさらに進み、カレーライスやコロッケ、オムライスなどの洋食が大衆にも食べられるようになります。
また、フルーツで有名な「銀座千疋屋」で新しくオープンしたフルーツパーラーで出された「フルーツポンチ」も店の看板メニューになりました。
このように、食の楽しみ方が増えてくると、より食物が多く獲れる秋は『食欲の秋』として親しまれるようになったのかもしれませんね。
食欲の秋はなぜ食欲がわいてくるのか?
秋においしい食べ物が多いのはもちろんですが、実はそもそも秋の気候が、食欲を増やす要因でもあるんです。
いくつかご説明します。
日が短くなって、幸せホルモンが減少
秋になると、日がどんどん短くなって16:00、17:00になるとけっこう暗くなってきますよね。
夏に比べて日光を浴びる時間が減ってくるので、セロトニンの分泌が減ってくるんです。
※セロトニン…神経伝達物質の一つ。
ドーパミン(快感・意欲)とノルアドレナリン(緊張感、ストレスに打ち克つ)のバランスを保ち、幸せな気持ちを維持する「幸せホルモン」と言われています。
セロトニンは、日光に当たると分泌が増えます。
それ以外には、糖質・乳製品・肉類を摂取したり、十分な睡眠で分泌されます。
つまり、
日光に当たる時間が減る
↓
セロトニンの分泌が減って不安な気持ちになる
↓
食べることで精神を保とうとする
この流れで食欲が増えるんです。
気温低下で基礎代謝が上がり、お腹が空く
夏に比べて、気温が低下するので脂肪を燃焼して体温を保持しようとします。そうすると、自然と基礎代謝が上がり、エネルギーを多く使うのでお腹が空きやすくなります。
夏バテして低下していた食欲が、戻ってきた
夏は暑すぎて、食欲がガクンと落ちる人もいますよね。すると体力が落ちていますから、それを補おうと秋に食欲が増えることがあります。
ちょうど秋にはおいしい食べ物がたくさんありますから、
食欲が戻ったらついたくさん食べてしまいますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
秋になると、体にも様々な変化が出てくることがわかりましたね。
夏に暑さであまりにも食べられていないと、その弾みで秋にドカッと食欲が爆発しさらに吸収力も高まっていますから、太ってしまうこともあるようですよ。
秋の味覚をほどほどに、かつ存分に楽しめるように体作りも意識しながら過ごしたいですね。