赤ちゃんって当然の事ながら言葉を発して思いを伝えることができません。
ですから、親である私たちが赤ちゃんが発しているサインに気づいてあげる必要があるのです。
その為には、普段の赤ちゃんの表情や癖などを観察しておきましょう。 そうすれば、赤ちゃんの体調がすぐれない時など、そのサインに気づいてあげられると思います。
それでも、分からないサインもあるでしょう。
ここでは、そんな困ったときの赤ちゃんが発するサインの見分け方について見ていきたいと思います。
泣きかたに注意する
生まれたばかりの赤ちゃんは泣くことで自分の意思表示をします。
なぜ赤ちゃんが泣くかと言うと、生理的な原因がほとんどです。
生後1~2カ月くらいまでの赤ちゃんは、お腹がすいた、暑さ、寒さ、おむつが濡れた等でお母さんへサインを送っています。
やがて、抱っこしてもらいたい、甘えたい時に感情を伝えます。
赤ちゃんと毎日一緒に居ても、泣いている理由がわからないこともあります。
また、赤ちゃんの泣き方にはそれぞれ個性があり、よく泣く赤ちゃんとそうでない赤ちゃんがいますが、これは生まれつきのものです。
泣きかたを見分ける目安
お腹が空いている時
布団や抱っこされている時のお母さんの服で顔をこすります。
泣いたり泣き止んだりを繰り返します。泣き止んだ時に、口に触れる物を吸うようならお腹が空いています。
痛いとき
痛みを感じている時は激しく泣き、おっぱいを飲ませても泣き止みません。どこが痛いのかよく見ましょう。
不安、不快なとき
突然思い出したように泣く場合は、おむつが汚れていないか、虫に刺されていないか、服を脱がして見てあげてください。それでも以上がない場合は、驚いたり、不安になったのかもしれません。しっかり抱っこしてあげましょう。
咳をしている場合
赤ちゃんがせき込む場合、体の反応で、肺や気管支に入った異物を排出しようとする為の咳です。
咳の症状によって病院に行くか行かないかを判断します。
そのまま自宅で様子を見る症状
- 軽い咳が続く場合
診察時間に受診する症状
- 時間と共に咳がひどくなる
- 乾いた音の咳からゴホゴホといった音の咳に変わった
- 発熱していて呼吸が早い
診療時間外でも受診するべき症状
- ぐったりとして元気がない
- 咳は収まったが、肩で呼吸をしている
- 呼吸したときに苦しそう
- ミルクを吐いてぐったりしている
- 呼吸がゼーゼーしている
- 激しくせき込んいる
救急車を呼ぶべき症状
- 顔や唇の色が紫色になってきた
- 呼吸が困難
赤ちゃんの咳にもさまざまな症状があります。
軽い咳程度であれば問題ありませんが、異変に気づいたら早めに受診しましょう。
咳をしたときのホームケア
赤ちゃんが咳をしている時は、食欲が低下し、眠りも浅い場合があります。
まず、赤ちゃんの呼吸を楽にしてあげるために室内を加湿します。
咳をする赤ちゃんは、立てに抱っこして背中をトントンしてあげましょう。
それだけで赤ちゃんは呼吸が楽になり、咳の回数も少なくなる場合もあります。
咳をして寝つけない場合は、上半身の下バスタオルをたたんで入れて、姿勢を少し斜めにします。
コンコンと乾いた咳の場合は、タオルを固く絞ってハンガーに掛けておきます。
また、お湯を張った洗面器を置いておくのも有効です。
でも、赤ちゃんがハイハイするようになったら危険ですのでこの方法は止めましょう。
ちゃんの咳が続くときには水分を補給してあげれば、炎症を起こした喉が楽になります。
脱水症状を防ぐためにも水分はこまめに補給してあげましょう。
体が小さい赤ちゃんにとっての咳は、体力を消耗してしまい大きな負担がかかります。
家でできる事は最低限行い、早めの受診をお勧めします。
赤ちゃんの鼻水や鼻づまり
赤ちゃんは気管が狭く、鼻が詰まりやすいのです。
鼻が詰まっていると呼吸だけでなく、ミルクを飲むのも苦しいので、こまめに取ってあげます。
機嫌が良くて眠れている場合はそのまま様子を見ます。
しかし、鼻水が緑色や黄色の場合や、鼻が詰まって眠れなかったり、おっぱいやミルクを飲み辛そうな時は受診しましょう。
また、発熱、咳、呼吸が荒い場合は、診療時間外でも受診するようにします。
予防は空気を乾燥させないことで、乾燥しているとウイルスや細菌が粘膜で繁殖しやすい環境になってしまいます。
赤ちゃんの副鼻腔炎 (蓄膿症) の症状は、黄色の粘り気のある鼻水です。
副鼻腔炎の原因は鼻の奥の空洞に細菌が感染して起こります。ほとんどは風邪などの後によく罹ります。
鼻水、鼻詰まりだけでなく、頭痛もあります。主に抗生剤や抗アレルギー薬で治療しますが、悪化すると髄膜炎や中耳炎になることがあるので注意してください。
鼻づまりのホームケア
鼻詰まりのホームケアとしては、まず部屋の乾燥を防いで、鼻の下の肌がかぶれないようにケアします。
赤ちゃんの鼻が詰まっていると思われる場合は、蒸しタオルを鼻の下に置いています。
この場合、やけどしないようタオルの温度にご注意して下さい。
鼻水が収まらない場合は鼻の吸引器を使用します。
鼻の中に溜まった鼻水が取れるので呼吸が楽になります。
また、鼻水は赤ちゃんの敏感な肌のかぶれを引き起こす可能性があるため、柔らかい布やガーゼをぬるま湯で湿らせた布で軽く拭きます。その後乾いた布などで優しく拭いてあげます。
最後に保湿クリームで保護し、保湿してあげましょう。
発熱について
赤ちゃんは大人よりも新陳代謝が活発で平熱が高いので、熱が上がりやすい体の作りで、体内にウイルスや細菌が入ると、これらの増殖を防ぐために発熱の症状がでます。
そのまま自宅で様子を見る症状
- 多少熱っぽいが食欲もあり、眠れてる
診察時間に受診する症状
- 熱は上がっているが、水分補給できている
- 赤ちゃんの脇の下や額を冷やすと、眠れている
- 多少熱はあるが機嫌が良い
診療時間外でも受診するべき症状
- 高熱で、熱が下がらずにぐったりして元気がない。ミルクや水分が摂れない。
救急車を呼ぶべき症状
- 意識がない
- ひきつけを起こしている
- 39度以上の熱
- 嘔吐が止まらない
- 生後2カ月以内の赤ちゃんで、38度以上の熱が下がらない
- 嘔吐や下痢があり、尿が出ない
すぐに下がるような発熱の場合は心配入りませんが、熱が急に上がってきた場合は、早めに受診しましょう。様態が急変した場合も夜間の救急外来を受診しましょう。
赤ちゃんの場合様態が急変しやすいので、自己判断は絶対にしないようにしましょう。
熱が出たときに疑う病気
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
罹りやすい年齢は6カ月以降で季節に関係なく罹ります。症状は発熱と患部が腫れます。
おたふく風邪の原因は、耳の耳下腺がウイルスの感染によって腫れて発熱します。
また、熱意外に痛みも伴います。
1週間程度腫れが続き、あごの下や舌に広がる場合もあります。
髄膜脳炎や髄膜炎を併発したり、難聴になる場合もあるので注意が必要です。
予防には1才から予防接種を受けることができます。予防接種してもおたふく風邪罹ることはありますが、症状は軽くて済みます。
予防接種については公費で接種可能ですが、自治体によって違いがありますので事前に確認しておくとよいでしょう。
髄膜炎
髄膜炎の症状は発熱、嘔吐、ひどくなると、ひきつけや意識が低下します。
罹りやすい年齢は6カ月以降で、季節に関係なく、髄膜炎にかかることがあります。
原因として考えられることは、おたふく風邪、中耳炎などの感染症による細菌やウイルスが原因です。
髄膜炎は早期発見が非常に重要で、後遺症が残ることがあるので注意が必要です。
嘔吐について
赤ちゃんの胃は縦長で、上部の噴門部がまだ発達していないため、大人に比べて嘔吐しやすく、ミルクなどをすぐにもどしてしまいます。(噴門部は、食べ物や飲み物の逆流を防止する部分のことです)
そのまま自宅で様子を見る症状
- 吐いていないときは元気である
- 機嫌もよく多少の吐き気があるが、他に変わった様子はない
診察時間に受診する症状
- ひんぱんに吐く
- ミルクを飲むと激しく吐く
- 繰り返し吐くが食欲はあり、機嫌も良い
診療時間外でも受診するべき症状
- 元気がなく、繰り返し吐く
- 顔が青ざめている
救急車を呼ぶべき症状
- ぐったりしていて、激しく泣いたり止んだりを繰り返す
- 高熱がり、下痢や激しい嘔吐、水分が摂れない
赤ちゃんの嘔吐は、風邪以外の病気の原因も隠れている場合があるので、自分で判断するより、少しでも異常を感じる場合は迷わず病院に行くようにしましょう。
嘔吐したときのホームケア
赤ちゃんが嘔吐した時のホームのケアを心得ておけば、いざという時に慌てずに対応できます。
具合が悪い場合の離乳食は、消化のよい、喉ごし良いものを与えるようにしてください。
吐き気が収まらない場合は、無理に食事を与えずに、水分補給に徹します。
·繰り返し吐きそうなときに
仰向けに寝かせていると、嘔吐した場合に危険ですから、顔を横に向けて丸めたタオルやクッションを使用して体を横に向ける工夫をして下さい。
吐いたあと
嘔吐物が口に残っていると、吐き気を誘発するので、ガーゼなどできれいにふき取ってあげましょう。
さらに、汚れた衣服はすぐに着替えさせ、飲み物を飲ませてあげましょう。
水分補給は、吐き気をもよおすことがあるので、一度に多く与えずに回数を多くして少しずつ与えるようにします。
また、母乳やミルクは胃へ負担となるので、吐き気が強い場合は中止してください。
麦茶や白湯、イオン飲料などを与えましょう。
離乳食も、食欲がある場合は、与えても問題はありませんが、吐き気を誘発することがあるので控えめにしておきます。
吐き気が収まったら、消化の良い柔らかいものから与えましょう。
嘔吐すると水分が失われ、脱水状態になり危険ですから、十分に水分補給をしてください。
発熱や下痢、嘔吐が続いているときは入浴は控えましょう。
赤ちゃんの下痢
赤ちゃんの便の状態に注意して、赤ちゃんの健康状態を保ってあげなければなりません。
赤ちゃんが下痢しやすいのは、胃腸の粘膜が弱く、消化器官が短いので、少しの刺激にも反応して下痢をします。
そのまま自宅で様子を見る症状
- 通常よりもうんちが多少ゆるい
- ふだんよりもうんちの回数が1~2回多い
診察時間に受診する症状
- 1週間以上下痢が続いている
- 水のような便が一日に5~6回出る
- 水分は摂れているが下痢と嘔吐が続く
- 最近、下痢の回数が増えた
- 食欲がなく、機嫌も悪い
- 下痢以外に、発熱、嘔吐も伴っている
診療時間外でも受診するべき症状
- 水分を受け付けない、すぐに吐いてしまう
- うんちが通常より白っぽい
- 鮮血混じりのうんちをする
- 熱があり、うんちの臭いが悪臭でいつもと違う
救急車を呼ぶべき症状
- 下痢と嘔吐が続いていて、大泉門が凹んでいる
- ※大泉門とは赤ちゃんの頭の頭頂部のぶよぶよした部分
通常の下痢以外にも、赤ちゃんの下痢は様々な病気が隠れている場合があります。
主に腸炎などが原因として考えられるので、症状が悪化しないように早期に受診するようにしましょう。
大人と同様に、赤ちゃんの便は健康状態を示すサインです。
下痢をした時のホームケア
具合が悪い場合の離乳食はいつもより柔らかめに作ってあげます。
下痢が続く場合、赤ちゃんのお尻はかぶれやすくなるので、おむつ替えはこまめにしてください。
うんちした時のお母さんの対応
下痢のうんちは刺激が強く、かぶれの原因となります。
うんちに気づいたら、すぐにおむつ交換し、きれいにふき取ってあげます。
かぶれがひどいようなら洗い流して、タオルで軽く抑えて水分を取ります。
また、ベビーパウダーは汗腺を塞いでしまうので、かぶれている場合は使わないようにします。
おむつやうんちは細菌やウイルスが含まれている場合が多いので、しっかり手を洗って二次感染を予防しましょう。
おっぱいと離乳食
赤ちゃんの体内の水分は、下痢をしていると失われやすいので、水分補給はしっかり行う必要があります。
また、糖分は下痢を悪化させてしまいますが、どうしても他の飲み物を嫌がるようならリンゴにしましょう。
ミルクや離乳食は胃に負担がかかるので、赤ちゃんの様子を見ながら調整します。
下痢の時の飲み物と食べ物
胃腸に負担をかけるミルクや母乳、脂肪分を多く含むもの(肉や魚など)は避けましょう。
同様に下痢を悪化させるジュースや糖分、柑橘類なども控えます。
水分補給をする場合は、イオン飲料、白湯、麦茶などが良いでしょう。
ミルクを飲ませる場合は胃の負担を減らすために薄めて飲ませます。
※食中毒予防
食中毒は梅雨時から夏場にかけて発生しやすく、湿度や温度が高い時期に細菌が繁殖しやすい季節に多く見られます。
食中毒のほとんどは細菌性の為、離乳食を与える場合はしっかり火を通して与えます。
下痢から考えられる病気
赤ちゃんが下痢をしている場合は、風邪以外にも他の病気が原因となっている場合もあります。
乳糖不耐性下痢
乳糖不耐性下痢の症状は、下痢が長く続き、体重が増加しないなどの症状があります。
原因は何らかの理由で、乳製品に含まれている乳糖を分解するラクターゼという酵素が不足していると考えられています。
この病気は時に嘔吐を伴うこともあります。
多くは下痢の症状が長く、腸の部分に炎症が起こった後天的なものですが、下痢をした場合は注意が必要です。
治療としては、まず医師の診察を受け、治療用の砂糖が含まれていないミルクや乳糖分解酵素剤を投与して様子をみます。
ロタウイルス腸炎
激しい嘔吐と下痢、そして発熱も伴うことがあります。
さらに酸っぱい臭いの水のような白い便が多く出ます。
原因はロタウイルスに感染して起こる病気で、冬に罹りやすいウイルスです。
異変発見したらすぐに受診するようにしてください。
二次感染予防のためにも、おむつを交換した後はしっかり石鹸で手を洗いましょう。
カンピロバクター腸炎
この病気の症状は発熱、粘液性の下痢が特徴です。
アレルギー性腸炎
赤ちゃんの離乳食が始まってから、嘔吐と下痢の症状が現われます。
細菌性胃腸炎
この病気は夏に多く、下痢、嘔吐、発熱の症状が出ます。
急性胃腸炎
下痢と嘔吐があり、一度排泄を済ませても、また直ぐにしたくなります。
このような赤ちゃんの下痢の症状は、様々な病気が潜んでいる事が多く、便の状態に異常を感じたらすぐに受診しましょう。
発疹について
赤ちゃんは少しの刺激でも敏感に発疹がでることがあります。肌がとても敏感なので発疹を発見した場合、熱もでていないか確認しましょう。
診察時間に受診する症状
- 高熱が続いた後の発疹、熱は下がっているが発疹がある、口内炎などの症状がでている
診療時間外でも受診するべき症状
- 舌に赤いプツプツが表れ、熱が5日以上続いている
- 目が充血し、ぐったりしている。水分補給ができない
救急車を呼ぶべき症状
- けいれんが起こり、意識がもうろうとしている
赤ちゃんの容体は急変しやすいので、どのような状況でもまずは受診することをお勧めします。
赤ちゃんにできやすい主な湿疹
乳児湿疹
この病気の症状は顔に赤いポツポツ出て頭にも湿疹が出ます。
年齢は2〜3週間から、2カ月程度位までで、原因は明確に分かっていません。
赤くポツポツした湿疹で痒がることもあり、唾液などで症状が悪化するため、濡れたガーゼできれいに拭いてあげてください。
脂漏性湿疹
症状は1〜6ヶ月の赤ちゃんに見られ、頭部や額などに、ふけ状の固まりができます。
新陳代謝が活発な赤ちゃんは、皮脂が固まって湿疹ができやすく、皮脂腺の多い頭と額に湿疹ができます。
時間の経過と共によくなり、黄色いかさぶたに変化しますから、強くこすらずに、ベビーオイルなどでふやかして石鹸でよく洗らいましょう。
皮膚カンジダ症
症状はおしりが赤くなり、ただれますが、おむつかぶれとは違い、膿をもったり皮がむけたりします。
麻疹(はしか)
麻疹の症状は口の中に白い点ができ、咳、鼻水、高熱がでます。
水痘(みずぼうそう)
かゆみのある発疹が水疱になり、熱が出る場合があります。
手足口病
症状は高熱が出る場合があり、手のひら、足の裏、口の中に発疹がでます。
あせも
あせもは汗をかくことができるところに発疹ができ、かゆみです。
アトピー性皮膚炎
湿疹が顔からでき始め、赤くなってかゆみを伴います。
赤ちゃんが発疹した時のホームケア
赤ちゃんが発疹を自宅でケアできたら、とても助かりますよね。
赤ちゃんの口の中に口内炎ができている時や、体に発疹ができている時は、症状が悪化しないように工夫が必要です。
かきむしる時のホームケア
赤ちゃんはかゆみがあると湿疹をひっかいて悪化させてしまいます。これを防ぐには爪は短くします。
赤ちゃんの爪は小さく薄いので、切るときは細心の注意を払います。
爪を切るときはしっかり押さえて、手や指を動かさないように注意してください。最も安全なのは赤ちゃんが寝ている時に切る事です。
口内炎のときの離乳食
口の中にできものがあると、口を開くことを嫌がったりします。
離乳食はいつもより柔らかめにして、喉越しがいいように工夫して与えるようにしてください。 柑橘類などは、口内炎にしみるので注意してください。
あせものホームケア
赤ちゃんのあせもは、汗が原因で出てきます。
汗で症状が悪化するとかゆみがひどくなるので、エアコンを上手に利用して室温が上がらないように注意して下さい。
赤ちゃんのうなじ部分や背中など、汗をかきやすい部分を触ってみてチェックしましょう。
衣服をいつもさらさらの状態に保つのがポイントです。
脂漏性湿疹のホームケア
分泌された皮脂が溜まると脂漏性湿疹の原因となります。
特に頭にできやすいので石けんを使ってなでるように優しく洗ってあげましょう。
流し残しがないようにしっかり洗い流します。
麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)の時のホームケア
はしか、水ぼうそうにかかったときは、他の赤ちゃんにも移るので接触を避けます。
同時に、免疫力も落ちているので、他の病気に感染する可能性もあり、外出は避けるようにします。
ひきつけ
赤ちゃんは熱がでると、ひきつけを起こしやすく、その場合、2~3分で収まります。
そのまま自宅で様子を見る症状
- 泣きながら手足が震える状態であれば、少し様子をみます
診察時間に受診する症状
- 2回目のひきつけで、「熱性のひきつけ」と診断されたことがある
診療時間外でも受診するべき症状
- はじめてのひきつけで、1日に2回以上続く場合
救急車を呼ぶべき症状
- 発熱も無いのに、5分以上ひきつけが続くような時
- 体の左右に違いがあるひきつけや、おさまった後の手足が麻痺していたり、意識がもうろうとしている場合
ひきつけの主な種類
熱性けいれん
この症状は高熱のときに発生します。
年齢は6カ月頃~4歳くらいで、38度以上の熱が出ると、けいれん起こりやすくなります。
2~3分間両手が突っ張った状態になり、意識がありません。
これは発熱により、脳の神経細胞が同時に活動するためで、後遺症はありません。
体質によって、発熱の度にけいれんを起こすあかちゃんもいます。
初めての時は診療時間外でも受診するようにしてください。
憤怒けいれん
憤怒けいれんは、激しく泣いたときに呼吸が止まり、けいれんを起こします。
3カ月~3才に多く見られ、顔や唇が青くなったり、手足が震えることがあります。
ほとんどが1〜2分程度で治まります。
このけいれんは成長と共に治まり、治療は必要ありません。
てんかん
てんかんは、てんかんを起こしたり、突然意識を失っている。
生後6カ月以降に起こり、脳の一部に異常が発生していることが原因です。
てんかんは、テレビ画面の点滅や、ちらつきが原因と言われ、脳に特別な異常がない場合には薬でコントロールします。
ひきつけを起こした時のホームケア
突然のひきつけやけいれんが起きた時は、慌てずに赤ちゃんの様子を観察することが重要です。
顔を横に向け、吐いたものが気道を塞がないようにし、そっと姿勢を変えましょう。
赤ちゃんが吐きそうな時
赤ちゃんに吐き気があるとき、顔を横に向けて吐いたものが喉につまらないように寝かせます。
首の後ろにタオルを入れて、顔の横に向けたり、服のえりもとを緩めたりするなどして気道を確保します。
この時、揺さぶったりして刺激を与えないようにし、赤ちゃんが吐いた場合は、汚れたものをきれいにし、吐き気を誘発しないようにします。けいれんが落ち着いて、吐き気がある程度落ち着いてきたら受診します。
けいれんが始まった時のホームのケア
熱けいれんは5分以内に治まるのであわてずに様子を見ます。
ほとんどの熱けいれんなので心配はないでしょう。
熱けいれんであれば、時間を計っておき、受診の際に医師に報告します。
また、けいれんが左右対称であるかも観察してください。
けいれんが治まった後の麻痺や意識障害がないかを冷静に確認します。
心配になって大声で呼びかけたり、揺さぶったりするのは止めましょう。
けいれんが治まり、赤ちゃんが落ち着いてきたら受診します。
夜間の場合は救急車を呼びます。症状が深刻な場合は、後遺症の危険性も高いので急ぎます。
急なひきつけやけいれんにはびっくりしますが、声をかけたり、体を揺すったりしてはだめです。 体を揺すったりして刺激を与えると、けいれんが長引くこともあります。
けいれんしている間に病院に連れて行くことも止めましょう。
お母さんが冷静になって、治まるのを待ってから次の行動に移ります。
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まとめ
赤ちゃんの体調の変化からくるサインと対処法について紹介してきましたが、ここで紹介している対処法は基本的なものです。
赤ちゃんの病気や症状についてもここには書ききれない程の種類があり、ここでまとめているのは一般的な症状やそれに対する対処法です。
ですから、赤ちゃんにとっては、お母さんが最も身近にいるお医者さまのような存在です。
マニュアルにとらわれずに、臨機応変に対応する事が最も良い方法です。
※ここで紹介している症状や対処法は絶対的なものではなく、赤ちゃんの平常時との違いをお母さんが日頃から気にかけ、その時々に応じた対応をしましょう。