人間の体は、体重の約60%が水分です。
それに対し、赤ちゃんの体は大人と違い、水分量が70%と、10ポイントも高いのです。
さらに、新陳代謝は大人の3倍もあり、大人以上に水分が失われやすいので、大人以上に水分補給をこまめに行なう必要があります。
ここでは、赤ちゃんの水分補給のタイミングや日常生活と病気になった場合の水分補給の方法を紹介します。
目次
普段の生活の中で脱水症状を予防
お風呂
お風呂は水遊びが出来て好きという子供は多いでしょう。
浴室の音は普段と違いがあり、水をバシャバシャしたり、存分に水遊びができるので子供も大喜びです。
でも、親から見た場合、浴室は子供にとっては危険な場所で、目が離せないですよね。
さて、お風呂から出て服を着たら、最初に水分補給をしてあげましょう。
お風呂は意外にも汗をかくので脱水を起こす子もいるので、麦茶、ミルクなどで水分補給しましょう。
また、お風呂の前に水分補給してから入れてあげるのも脱水症状の予防に有効です。
熱中症
赤ちゃんは大人に比べて体温調節がうまくできないので、暑さによる影響を受けやすく、季節に関係なく注意が必要です。
また、体内の水分量も多いため、脱水症状になりやすいのです。
熱中症を起こさないために、親の心配りが必要です。
車内には絶対に置きざりにしない事
気温があまり高くない日であっても、車の表面は熱を吸収します。
その為、車内の温度は急上昇し、赤ちゃんが危険な状態になります。
車を離れる時には、どんなに短い時間でも一緒に連れて行ってください。
外出時の地面からの照り返しに注意
日傘などで日陰を作っても、外出時の照り返しは、赤ちゃんの体が熱にさらされて危険です。
大人は大丈夫でも、アスファルトの照り返しは、地面から近いベビーカーの赤ちゃんにとって強烈です。
想像以上に暑くなるので注意しましょう。
炎天下の日は、赤ちゃんを外に連れ出すのはやめましょう。
閉めきった室内は危険
赤ちゃんを空調の効いていない閉めきった屋内に置いて出かけないようにしてください。
特に暑い季節は厳禁です。
暑いところにいた赤ちゃんの体温が上がったり、ぐったりして水分も受け付けない場合、すぐに病院に行くようにします。
熱中症の疑いがあって、赤ちゃんの意識がある場合は体を冷やします。
そして水分補給をします。風通しのよい涼しい場所に連れて行って服を脱がせます。
額や脇の下などに冷たい濡れタオルなどを当てて、赤ちゃんの体温を下げるようにします。
気になる場合はすぐに病院に連れて行きましょう。
赤ちゃんの体は急変しやすいので、迷っている時間が致命的になる場合もあります。
下痢をした時
赤ちゃんの体内の水分は、下痢をしていると、失われやすくなります。
脱水の恐れがある場合は、水分補給をしっかり行う必要があります。
果汁などの糖分は下痢を悪化させることがあるので、イオン飲料や麦茶などを与えます。
ミルクを与える場合は、胃腸に負担がかからないように量を調節し、赤ちゃんの様子を見ながら与えます。
また、症状が酷い場合は離乳食は中止しますが、欲しがる場合はいつもより柔らかめにつくってあげます。
下痢のときにダメな飲み物や食べ物
ダメなもの
胃腸に負担をかけるミルクや母乳
下痢を悪化させるジュース、柑橘類)
脂肪分を多く含んでいる 肉類、魚貝類など、消化に負担がかかるもの。
良いもの
水分補給として一番良いものはイオン飲料や麦茶など、ミネラルを含んでいるもの。
下痢の時にはりんごをすりおろしてあげましょう。
ミルクを与えるにしても胃腸に負担を少なくすよう希釈したものを与える。
病気になった時の脱水症状の予防策
夏風邪ヘルパンギーナ
子供がよくかかる代表的な夏風邪といえば「ヘルパンギーナ」です。
1才前後から10歳までの小さな子供に多く見られる病気で4歳までに7割の子供が感染するといわれています。
そのほとんどはエンテロウィルスによって感染しますが、A群コクサッキーウイルスによるものもあります。
突然39度の高熱が出て、喉の奥に小さい水疱がたくさんできます。
40度を超える高温が続いたり、嘔吐、不機嫌な状態が長く続く場合、無菌性髄膜炎の可能性もあるので、すぐに医師の診察を受けましょう。
発熱後2、3日が最も感染しやすい時期なので、兄弟がいる場合は注意が必要です。
予防のために手はしっかり洗い、患者のタオルは別に置くことをお勧めします。
また、便には感染後1カ月程度ウイルスが出ていることもあります。
完治後もしばらくの間はおむつ交換の後はしっかりと手洗いを行う必要があります。
「ヘルパンギーナ」に効く薬はなく、自然治癒をに頼るしかないですが、高熱が出ることもあるので、コマメな水分補給を心がけてください。
また、のどに水疱ができるので、刺激の少ないさっぱりした食べ物を与えましょう。
水分補給は麦茶など、さっぱりしたものた良いでしょう。
食欲がなくても、水分だけはとらせるようにしましょう。
冬風邪といえばロタウィルス
冬の下痢と嘔吐を引き起こすウイルスは70~80%はロタウィルスによるもので、生後5カ月〜2歳頃までにかかる病気です。
主な症状は発熱、嘔吐と下痢で、熱は発症後、半日から一日程度で下がりますが、嘔吐は2日程度、下痢は1週間程度続きます。
一日5、6回程度激しく吐き、白っぽい下痢便が出たりすることが特徴です。
便は一日に10回以上も出ることがあり、ぐったりして、脱水症状を起こす場合もあるので注意が必要です。
脱水症状を防ぐために、イオン飲料や麦茶などで水分を補給してあげましょう。
ですが、吐き気がある時は飲ませてもすぐに吐いてしまうので、少量ずつ複数回分けて与えます。
また、症状がひどい場合や、水分が摂れない場合には速やかに医療機関を受診してください。
ロタウィルスは非常に伝染性の強いウイルスです。便や嘔吐物の中には大量のウイルスが含まれているので、処置をした後はしっかりと手洗いを行います。
「ヘルパンギーナ」と同様に、下痢の症状がなくなった後も便の中にはウイルスが含まれています。
完治した後も引き続きしっかりと手洗いを続けましょう。
インフルエンザ
恐ろしい病気の1つであるインフルエンザにかかった場合、どのように対処する必要があるのでしょうか。
基本的は風邪と同じです。
厚着をすると、ますます体温を上げるので、熱い汗が出始めたらなるべく薄着にして換気を良くします。
手足が冷たいときは手袋や靴下を履かせて部分的に温めましょう。
発熱や下痢により、水分が失われるので水分補給はとても重要です。
イオン飲料や麦茶などのミネラルが摂れる水分を与えるようにしましょう。
解熱剤を使用する場合は、医師や薬剤師に相談した薬剤を使うようにします。
薬剤によってはインフルエンザ脳症という合併症を引き起こす事があるので、解熱剤の仕様には注意が必要です。
熱が高く、不安なときは解熱剤よりも先に体を直接冷やしてあげましょう。
大きめの保冷剤で脇の下と脚の付け根部分を冷やせば効果的です。
市販されている額に貼って冷やすタイプのものもありますが、気持ちいいだけで、体温を下げる効果はほとんどありません。
太い血管の通っている脇の下と脚の付け根、背中などを中心に冷やします。
また、冷たすぎて嫌がる場合もありますが、こういった場合はタオルを巻いて冷たさを調整してあげましょう。
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まとめ
赤ちゃんの水分補給について書いてきましたが、そのほとんどが発熱を伴ったり、消耗性があるものです。
イザという場合を除いて、お母さんが落ち着いて対応してあげれば、ほとんどのものは対応できると思います。
赤ちゃんの癖や機嫌など、日頃からチェックしておけば、すぐに異変に気づく事ができると思います。
そして何より効くのはお母さんの愛情です。
お母さんの良くなってほしい、早く治したいと思う気持ちが目に見えないパワーとなって赤ちゃんに届くのだと思います。
つまり、お母さんの愛情が最高に効く薬だということです。