あなたはダイエット中に何を食べていますか?
おやつにおしゃぶり昆布、食事にとろろ昆布が入った昆布出汁のみそ汁を飲んでいませんか?
一見すると身体に良さそうなものですが、毎日食べ続けると、将来大変なことになってしまうかもしれません。
肌はガサガサ、髪は抜け落ちバサバサになり、身体全身がむくんでしまうなんてことも…
昆布は身体に良いとされているのに、どうしてそんなことになってしまうのでしょうか?
今回は昆布の食べ過ぎと甲状腺ホルモンの関係について、詳しくお教えします!
目次
昆布を食べ過ぎると体に及ぼす影響は!?
昆布には、カルシウム・鉄・ナトリウム・カリウム・ヨウ素などが含まれています。
その中で、摂りすぎると危険なのはヨウ素なんです。
ヨウ素には、甲状腺ホルモンの生成を促す役割があります。
通常なら多く摂りすぎたとしても、その分は通常は腎臓から尿へいきそのまま排出されるので問題はありません。
しかし、長期間にわたって摂りすぎていると、過剰分が消化しきれなくなり、体に異常が生じてしまいます。
ここで、甲状腺ホルモンの働きについての説明をしましょう。
甲状腺ホルモンは、下記の役割があります。
- 脳の活性化
- 新陳代謝を促進させ、エネルギーを作る
- 得られたエネルギーを使って、体温の調節をする
- 心臓や胃腸の活性化
このホルモンが多すぎた時、どんな症状が現れるでしょうか?
- 疲れやすい、常にだるい
- 暑がりで、汗をかきやすい
- 息切れ、動悸がして、脈拍数が多い
- 甲状腺が腫れる
- 手足が震える
- イライラしやすい
- 口が渇く
- 髪の毛が抜ける
- 眠れない
- 眼球が出てくる
病名で言うと、バセドウ病などが該当します。
甲状腺ホルモンは、体内の新陳代謝を担う重要なホルモンだということがわかりますよね。
この際知っておきたい!昆布の食べ過ぎで危険な量はどれくらい!?
それでは、昆布はどのくらいまでなら食べてもいいのでしょうか?
まず、ヨウ素の上限を見てみましょう。
<ヨウ素の摂取量上限>
・男性成人→3000㎍(3g)、女性成人→3000㎍(3g)
(ちなみに推奨量は男女ともに130㎍)
・子供の場合→0~2歳:250㎍、3~11歳:500㎍、12~14歳:1200㎍、15~17歳:2000㎍、
となります。
昆布に含まれるヨウ素は、可食部100gあたり:23000㎍となります。昆布100gも食べるなんてことはあまり無いかもしれませんが、23000㎍とは、かなり多いですね。
また、昆布の食べ方によっても、含まれるヨウ素の量は変わってきます。
ヨウ素が多く含まれる昆布は、昆布出汁、お菓子昆布(都こんぶなど、昆布チップス)、とろろ昆布が該当します。
昆布出汁の数値を見てみると…
昆布出汁に含まれるヨウ素→100gあたり5400㎍もあります。
仮に、1カップの昆布出汁を使った味噌汁を毎日、3食食べていると、かなり上限をオーバーしてしまうことになりますね。
次に、おしゃぶり昆布に含まれるヨウ素は、1gあたり3690㎍もあります。たった1gで既に上限オーバーしてしまいます。
(煮炊きして作られたおしゃぶり昆布は、煮炊きによってヨードが流れ出るので、もっと少なくなることもある)
こう見ると、毎日食べるのはかなり危険ですよね。
一方で、佃煮や塩昆布はヨウ素含有量が減るので、比較的安心して食べられます。
いずれにしても、たまに食べすぎたな、という日があっても毎日食べ続けなければさほど問題はありません。
衝撃!?昆布の食べ過ぎが引き起こす甲状腺機能低下症って!?
昆布の食べ過ぎで、甲状腺ホルモンが増えすぎると、今度は甲状腺ホルモン低下症になってしまうこともあります。
それは一体どういうことでしょうか?
体内では、こんな状態になります。
甲状腺ホルモンがたくさん入り過ぎている
↓
体が甲状腺ホルモンは危険!と判断してしまう
↓
甲状腺ホルモンに対する抗体を作る
↓
甲状腺ホルモンが入ってきたら破壊せよ!
(一種のアレルギー反応みたいなものですね)
その結果、体に必要な甲状腺ホルモンが足りなくなり、甲状腺機能低下症という病気になってしまうことがあるんですね。
先ほど甲状腺ホルモンが多すぎる場合の症状をご紹介しましたが、逆に不足した場合はどうなるでしょうか?
- 疲れやすく、常にだるい
- 汗が出にくい
- 寒がりになる
- 脈拍数が少ない
- 体がむくむ
- 甲状腺が腫れる
- 体重が増える
- 気力が出ない
- 皮膚が乾燥する
- 声がかれる
- 常に眠い
- 動作が鈍く、物忘れしやすい
- 便秘になる
- 筋力が低下する
こうしてみると、甲状腺ホルモンは増えすぎても少なすぎても、体全身に不調が出てきてしまうんですね。
まとめ
毎日昆布を大量に食べ続けない限り、特に問題はありませんが、どうしても食べ過ぎてヨウ素の摂りすぎが気になってしまう時もありますよね。
そんな時、一緒に食べるとヨウ素排出を助けてくれる食べ物があります。
豆腐、納豆、味噌などの大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは、ヨウ素の取り込みを阻害してくれます。
その他にキャベツ、大根も効果があります。
昆布の食べ過ぎにおいてネガティブな面ばかり語ってしまいましたが、適量を食べる分には身体にとっても良いんです。
昆布に含まれるカリウムは高血圧予防に役立ちますし、昆布の水溶性食物繊維が、腸内を掃除してくれます。
その結果、美肌にもなれますし、またカルシウムも豊富なので骨粗鬆症予防にもなります。
適量を知って、健康的に昆布料理やお菓子を楽しんで下さいね!