皆さん、有給休暇はきちんと消化できていますか?
「忙しくて休みなんて取れない」、「他の社員さんは取ってないのに…」などと日本における消化率は2018年の19か国における消化率調査では、3年連続で最下位で50%ほどだとか。
法律で定められている最低有給休暇日数は10日間ですが、その日数でさえも世界最下位ということは、日本人はどれだけ休み不足なんでしょうか…
休め休めと言われても、実際は日本人の昔ながらの風潮から有給休暇の申請もしにくいのが現状ですよね。
そんな方は、「有給休暇を買い取ってほしい」と思うかもしれません。
ただ、原則で有給休暇の買取は違法なので注意しましょう。
今回は会社員として気になる「有給休暇の買取は違法なのか?」について詳しく説明します!
目次
有給休暇の買い取り解禁はいつから?
一時、安倍首相の給与アップの施策として、有給休暇の買取が政府で検討されているのでは…?という疑惑があがったこともあるようです。
しかし、それは違います。
原則的に「有給休暇の買取り」は違法です。
それは、買取りを認めることは、労働基準法上付与される有給休暇を取得させないことを前提にしているからなんです。
確かに、有給休暇を全部会社が買い取ってOKならば、労働者はますます仕事を休めなくなりますよね。
むしろ、2018年4月には政府が「働き方改革」の一環として「会社は従業員に最低5日間は有給休暇を消化させなければいけない」と義務化したほど。
ただ、それでも例外があり、有給休暇を買取してもいい場合がいくつかあります。
それを以下でご説明します。
有給休暇の買取制度があるって本当?
有給休暇の買取りが認められるケースは以下のようになります。
- 会社が法定日数を上回る日数を設けた場合
- 有給休暇が時効消滅した場合
- 退職時に未消化有給休暇がある場合
それぞれご説明します。
1.会社が法定日数を上回る日数を設けた場合
法律で決められてい有給休暇の日数は、通常の正社員の場合、年間10日間と定められています。
それに対し、会社の規則が年間15日間となっている場合は5日間多いため、その分を休日で消化できなかった場合は買取がOKとなります。
ただ、消化できなかった分を会社が買取しなければならない、という義務は法律上無いため、実際に会社側が買取に応じてくれるかどうかは会社によります。
2.有給休暇が時効消滅した場合
有給休暇は、請求できる日にちから2年間経つと時効で消滅してしまいます。
ただ最大40日間の繰越が認められているので、その期間で消化できればいいのですが、できない場合は、買取が認められます。
3.退職時に未消化有給休暇がある場合
退職時に、退職直前までを溜まっていた有給休暇で埋めれば、退職日よりも早く出勤しなくて済みますが、次の方へと引き継ぎをしなければならず、実際は難しい場合も多いかもしれません。
そういって有給休暇を消化できなかった場合も、会社がその分を買い取ることは認められています。
ただ、どの場合も会社に買取義務はないので、実際に買取してもらえるかどうかは会社の裁量にかかっているとも言えます。
有給休暇の買取りは退職時にやってもらえるの?
上で述べたように、買取りに関して労働基準法上のルールはないため、結局は会社が買取りをしないと判断した場合は,買取りをしてもらうことができません。
しかし、就業規則に記載されている場合がありますのでチェックしてみてもいいかもしれません。
(ただ、やはり有給休暇は休日で消化することが前提となっているので、就業規則に有給休暇の買取について記載することはあまり推奨されておらず、むしろ労働局から指摘が入る場合も)
また、会社にとっては有給休暇の買取はマイナスのイメージが強いかもしれませんが、少しメリットもあります。
退職日直前までを有給休暇で埋めると、その期間は在職期間に該当するので、雇用保険を会社が負担しなければいけません。
しかし、有給休暇を買い取って、その分退職日を早めればその負担は無くなります。
ただ、やはり会社としては買取義務がないことや、「そもそも違法でしょ」という認識でいるところが多く、買取に応じてくれる会社は少ないです。
それでも、退職時にどうやっても有給休暇を消化できなくてもったいない…という方は会社に言ってみる価値はあります。
ちなみに、通常の正社員以外のパート従業員でも、一定条件をクリアすれば有給休暇は取得可能です。
自分にどのくらい有給休暇が残っているか計算したい場合は、こちらを参考にしてください。
→有給休暇の計算方法
まとめ
いかがでしたでしょうか?
有給休暇を申請しにくい風潮が根強い日本の会社ですが、労働者の最低権利として会社は順応に対応してほしいですね。
会社と労働者がお互いに満足できる方法で、有給休暇を消化できるといいですね。